全国各地で行われる講演会で発表された「患者さんの体験談」をご紹介いたします。
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注:スライドを使っての体験談でしたが、写真掲載は難しいので伝わりにくい部分もあると思いますが、皆さんの励みになればと思い掲載します。

 

治療した息子は11月で4歳になります。今はアトピーとは分からないくらい症状はでていません。現在治療中のアトピーのお子さんを持つ親御さんはどんな治療を選択していてもお子さんのために今ものすごくがんばっていらしていると思います。私はステロイドを使わない治療を選択しましたがとても納得していますので、その体験がお役にたてばという気持ちでお話させていただきます。ステロイドを使い始めてからをスライドで順に説明したいと思います。

 

<生後20日の写真:①顔=おでこや頬にぶつぶつ湿疹以外は普通の肌>

産院でふくらはぎに湿疹があり、よく分からないから皮膚科でみてもらうよう指示されます。

皮膚科で、乳児湿疹と診断され、ステロイドキンダベートを処方されました。

医師からも薬局からもステロイドの塗り方の指導がなかったのでハンドクリームのように塗っていました。

<生後3ヶ月の写真:①顔=全体に赤み②全身=ステロイドを塗った状態③顔=亜鉛化軟膏を塗った状態>

顔全体に赤みがでてきたので皮膚科に行くと、アトピー性皮膚炎と診断されストロングのマイザーが処方されました。

ステロイドを塗るとすぐにきれいになり、肌が白く透き通った感じになり、血の気がなく元気がありませんでした。

直感でこの薬はおかしいと感じました。

友達からステロイドって怖いよねと話をされ、ステロイドについて調べてみると、肯定派・否定派でいろいろ論議されていることを知りました。勉強してみると、やはりステロイドを使うことに納得がいかなかったので、亜鉛化軟膏に変更してもらいました。

その直後、透き通っていた肌は赤くはれ上がるように変わりました。

<生後5ヶ月の写真:①顔=分厚い黒い瘡蓋に覆われごつごつしたクレーターにようになっている②顔=全体から汁が吹き出ている③足=まだら模様>

原因不明の下痢が続きました。

寝返りもまだできませんでした。

このころ、多くの市販の保湿クリームを試します。

(アロエ・オリーブオイル・スイートアーモンドオイルなどの植物油・馬油・スクワランなどです)。つけると余計悪化して、どれも効果はなかったので何もつけないことにしました。

<生後7ヶ月の写真:①顔=白い瘡蓋が全体を覆いところどころめくれあがっている②顔=むくみでぱんぱんに腫れているがステロイドを塗っているので赤と白のまだら模様③腕=直径5cmほどの赤いふくらみの湿疹が多数>

ゼロゼロと呼吸が苦しそうになり嘔吐が始ました。

ミルクアレルギーと診断されアレルギー用ミルクに変更しましたが毎食後吐き続け、体重が標準より3キロ近く少ない状態にまでなってしまいました。

このころ、超酸性水を使用してみましたが変化なしでした。

そうしているうちに、低蛋白血しょうのため某大学病院に入院することになりアルブミン点滴をしステロイド(キンダベートとリンデロン)を再開することになりました。

血液検査でたくさんアレルギーがでていたので、3歳までは栄養剤(エレンタール)しか飲めないし、リンデロンクラスのステロイドをずっと使わないとならないといわれました。

そんなことでは息子は成長できないと思いましたが、自分で脱ステをするにはあまりにも全身状態がよくなく、またいつ成長に影響がでるか不安でしたので、インターネットで主人が調べ、阪南中央病院の佐藤先生にたどり着き入院をお願いしました。

 

<生後9ヶ月の写真:①顔=腫れあがった顔に汁や血がでた部分にネットやガーゼをつける②顔=むくみがとれ笑顔もでる>

 

1ヶ月入院しました。ステロイド依存症と診断されました。

入院中は特に何も塗りませんでした。汁や血がでている部分にガーゼをはる以外は離乳食を食べることだけでした。大学病院でミルクは飲めないと言っていたのに、佐藤先生に大丈夫だからといわれ、あげてみると問題なく飲みました。濃度を濃くして与えるよう指示されました。

退院の目安は離乳食が食べれるようになりアルブミンも落ち着き、ステロイドを使わなくても全身状態が維持できることにありましたので退院するときの肌はズルむけ状態でした。

<退院3ヵ月後の11ヶ月の写真:①顔=おでこと頬からあご周りが掻きむしった後のかさぶたになっている>

乾燥する部分が12割・・・と増えてきました。ガーゼをはってもくっつかなくなりました。 

ただ波があり、気圧が1000を切ると痒がっていました。

雪や雨が降ったりあがったりするときなどです。

このころステロイドがぬけて普通のアトピーになった気がしました。

<退院6ヵ月後の14ヶ月の写真:①顔・手の甲=瘡蓋以外は普通の肌に近づいている。掻いて血だらけになった服を着ています。>

このころになると半分は乾燥している状態ですが掻けば血だらけになります。ただその後すぐ乾燥します。乾燥で痒そうにすることはありません。

<退院9ヵ月後の17ヶ月の写真:①顔=頬とあご周りのみ瘡蓋②全身=湿疹はない>

湿疹が残っているのは頬と手首と足の甲です。転んでずりむけたくらいにしか見えません。食事はたんぱく質を多くとりました。食べる量が多いのでびっくりされます。

佐藤先生に退院時に「1歳半で治るよ」といわれていましたが、本当にそのとおりでした。

<退院1年後の110ヶ月の写真:①顔=湿疹のない状態>

これから先現在までアトピー的悪化はありません。

調子が悪いときだけ(免疫が下がったとき)手の甲やふくらはぎにぶつぶつとした白いにきびみたいなものがでますが病院にかからず2週間すれば自然に治ります。

 

ほっぺにすりすりできたときは感激でした。

 

 

この2年間で確信して思うのは、普通のアトピーではステロイドは全く必要ないと思ったことです。使わなくても治りました。だから特に赤ちゃんは命に関わる緊急事態でない限りステロイドを使わないでほしいです。ステロイドを使ってしまってから脱ステをするのは本当に大変です。

 

脱ステ中、本人はやはり辛いからか泣いていることが多く、一日中抱っこするので私の食事やトイレに行く時間すら取れない状況でした。主人が帰ってきて交代してからは血だらけになった洗濯物と掃除で、横になって寝る時間はありませんでした。

風邪をひいて小児科に行けば息子の顔をみてステロイドを使わないのは虐待だといわれ、買い物に出れば周りの視線が痛く、また小さいこどもからは「かゆかゆ病だ」と大声で指差され、外に出るのが苦痛になりました。

 

とはいえ、家に二人っきりでいると掻いている姿が気になり自分や息子の境遇に落胆し精神的に追い込まれていきました。

そんなとき近くにあった子育て支援センターに勇気を出して遊びに行きました。保育士さんが普通に他の子供と同じように接してくれたことで本当に心が楽になりました。そこでできたママ友たちが遊びに誘ってくれて、アトピー以外に目がいくようになり親子で精神的に安定してくると肌も落ち着いてきた気がします。

そしてなによりも親族の支えがあったことが一番大きかったです。最初に私たち夫婦がステロイドを使わないことを説明し理解してくれたことで安心感を得られた気がします。

 

ただ、やはり不安はつきもので「この状態はどうなんだろう?」と専門的なサポートを求めたいときもありましたし、心が折れそうなときもありましたが、意地でもステロイドを使わないという覚悟で乗り切りました。

 

乳幼児に対してステロイドを使わない治療が標準となって近くの小児科や皮膚科で対応してくれたら患者や家族の負担はなくなり安心して治療に専念できると思います。

まだステロイドなしの治療ができる環境が北海道全てに整ってはないですが、ステロイドがなんか違うと直感で感じた方がいるのであれば勇気を持って自分を信じてほしいと思います。

 

最後になりましたが、行き場のない私たちを受け入れてくださった佐藤先生に感謝します。ありがとうございました。